サクラ・ラウンジへ、どうぞ。

伊丹空港に到着し、11時45分発のJALに乗る手続きをした。
すると、カウンターの係員から、「サクララウンジがお使いになれますが、場所はご存じですか?」と聞かれた。
サクララウンジは、よく知っている。JALの利用者の中でも、年間にある特定の回数またはマイル数を利用しなければ、そのラウンジを使う資格は貰えない。
僕も利用回数は多いほうだが、最高でも年間30数回くらい。たしか、前年利用実績が50回を超えなければならなかったはずで、昨年などほとんど使っていないし、どう考えても実績はないはずだ。思わず、「なんで?」と聞き返してしまった。

係員も何かのミスと思ったのか、上司らしき女性係員に聞きに行き、その上司も電話でどこかに確認。その結果は、
「会社のほうで(サービス)をお付けしておりますので、ご利用になれます」
とにこやかな笑顔とともに対応されてしまったのであり、僕はただただ首を捻りつつ手荷物検査場を通過したのだった。

で、サクララウンジ。入ってみた。以前から入ってみたいなあ、と憧れてはいたのだが、所詮自分達庶民には関係のない場所と諦め、待合の椅子席を温めたり社員食堂利用という裏技を使ったりしてきたのである。
小心かつ疑い深い自分は、ここまで来てもこれは何かの間違いではないかとうろたえ、ラウンジカウンターの係員にまで確認したのである。すると、
「お客様は当社が大変重要なお客様とお認めしましたので、かようなサービスをさせていただいております。」
的な、大変丁寧なお答をいただいたのであった。

はあ、左様でございますか、ってわけで、思い当たったのは、やはり長崎教区長になったこと。長崎教区輸送部は、航空機輸送をJALメインにしており、その長になった結果の優遇としか考えられない。
そういえば4月以来、CAの態度が急に良くなった。普通席に座っているのに、毎回挨拶に来て「ご利用いただき、ありがとうございます。」と挨拶され、時には「新聞、お飲みものは如何ですか?」とVIPな待遇だったので、気恥ずかしくてならず、これからは毎回クラスJにしようかと半ば本気で考えていたほどである。
これでやっと合点がいった。