坂道を上りゆく君達へ

手を千切れんばかりに振りながら、君達は坂道を駆け上る。
僕は今朝も、君達の姿が見えなくなるまで手を振り続ける。
長男が、黄色い帽子の下に不安を抱えて何度も振り返っていたのが、つい昨日のことのよう・・・。
あれから、早や12年。
今日もまた、僕は君達を見送った。
明日もまた見送るだろう。
そして、明後日も。
上りゆく君達を、眩しい思いで見つめながら、これからも、お父さんはいつだってここから手を振り続けるよ。

「いってらっしゃい!!」